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インドネシアの行政機関について

      2016/04/13

bapenas最近、JICAの民間企業支援事業などが普及してきたこともあり日系企業のインドネシアへの進出の形態も多様化が進んできていると感じます。こうした制度を使って日本のODAの枠組みの中で事業を行うためには、インドネシア側の政府機関と共同して事業を行う必要があり、ここのところインドネシア政府機関へのアプローチに関する相談を受けることがよくあります。
というわけで、今回はインドネシアの行政機関についてまとめてみたいと思います。

インドネシアは日本以上の縦割り行政?

まずインドネシアにいくつの役所があるかというと、なんと中央省庁だけで34個あります。つまり内閣に34人の閣僚がいることになります。日本は現在1府12省庁(復興庁を含めると1府13省庁)ですので日本の3倍弱の省庁があることになります。日本でも役所の縦割り行政についてはよく批判的に指摘がされていますが、インドネシアでは省庁間の調整が日本よりはるかに大変であることが想像できます。
そのため、インドネシアでは各省庁間の調整を行うために、各省の上位に、調整省(調整大臣府)という組織があります。名前の通りこの調整省が傘下の省庁を統括し省庁間の調整を行うことになっています。そして、さらにその上位に国家官房(SEKNEG)国家開発企画省(BAPPENAS)が内閣全体を調整・統括するという階層構造の形をとっています。
Indonesia Governmentちなみに2016年3月現在は下記の4つの調整省があります。

1.経済担当調整省

国の経済運営を統括する組織で、具体的には以下の10省を統括します。

財務省、工業省、商業省、労働省、環境・林業省、農業省、公共事業・国民住宅省、農地・空間計画省、国営企業省、協同組合・中小企業省

工業省は産業分野を、商業省は貿易分野を担当しています。日本の経済産業省のように1つの省に統合すべきという議論が毎年のように行われていますが、現在は2つの省に分かれています。

2.政治・法務・治安担当調整省

続いて、文字通り政治・法務・治安関係を統括するのがこの政治・法務・治安担当調整省です。以下の6省を統括します。

内務省、外務省、国防省、法務人権省、情報通信省、行政改革省

内務省は国内の州や県・市などの地方政府を監督する役割を持っており、民間企業が地方政府と共同で何か事業を行う際には必ず内務省に報告が入るようになっています。

3.国民福祉担当調整省

国民福祉担当省は下記8省を統括します。宗教省などは日本では馴染のないインドネシアならではの組織かもしれません。

宗教省、社会省、保健省、文化・初中等教育省、研究技術・高等教育省、青年・スポーツ省、女性エンパワーメント・児童保護省、農村・後進地域開発・移住省
4.海事担当調整省

そして最後が、2014年10月の内閣改造で海洋国家構想を唱える大統領の肝いりで新設された海事担当調整省です。水産から海洋安保、海上輸送路などを統括します。管轄する省は下記4省になります。

運輸省、海洋水産省、観光省、エネルギー・鉱物資源省

このように、各省がバラバラにならないように階層的に組織されているのが特徴だと思います。ただ、それでも省ごとに作る法令がお互いに矛盾してたりといったことは日常茶飯事です。また、調整省は実行部隊を持っていないこともあって実際はあまり力を持っていないとも言われており、関係者が増えただけで余計に意思決定に時間がかかっているようにも思えたりもします。。

民間企業が協業するには・・

そんな政府機関を相手に外国の民間企業が関係を作るためには、やはり該当セクター(エネルギー関連ならエネルギー省、環境関連なら環境林業省 など)の担当部局に話を持っていくのが王道です。しかし、個人的なコネクションがあればいいですが、そうでなければ中央省庁が外国の民間企業の話を聞いてくれることはなかなか難しいのが現状といえます。
そんな中で比較的ハードルが低いのが、中央政府の機関の位置づけだけど省ではない大統領直轄の非省政府組織や、あとは国立大学などです。
なかでも以下の2つの研究組織は古くから民間企業とも協業してきており、インドネシアの課題解決に貢献する技術・製品であれば民間企業のビジネス展開に前向きに対応してくれる可能性が高いといえます。

技術評価応用庁(BPPT)

1974年設立。多様な分野での技術研究を行っていますが、主要な役割の一つに新技術の評価というのがあります。外国などの新技術に対して事前に利用可能かどうかを評価し、問題がないと判断されれば関連省庁や国内での使用を促すという役割を持っているため、新技術を持った民間企業とは親和性が高いのではと思います。

インドネシア科学院(LIPI)

1967年設立。インドネシア初の研究機関。ここはBPPTに比べて基礎研究が中心であると言われていますが、近年はイノベーションセンター(Center for Innovation)という組織で民間企業の技術を検証するような取り組みも行っています。

両者はかつてはLIPIが基礎研究、BPPTが応用研究を行うとの棲み分けがあったそうですが、近年はそのような分け方もなくなってきているそうです。これらの研究組織に自社の技術を持ち込んでうまく評価されれば、そこから関連省庁へ取り次いでもらえる可能性もありますので、これらの機関へのアプローチは有効な選択肢ではと思います。

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